この記事では、ビートルズのLet It Beの歌詞を和訳する際のポイントを解説しています。英語の初級者レベルの方向けの記事です。
著作権や翻訳権の関係で、歌詞やその対訳をそのまま掲載していません。歌詞をご覧になりたい方は、ググって探してくださいね。
Let It Be (The Beatles) 歌詞和訳ポイント
find myselfの自然な訳し方
find oneselfは直訳すると「自分自身を見つける」です。そこから意味が転じて、「ふと気づく」のように訳すのが適切です。
「困難な状況にいるのにふと気づくと」(when I find myself in times of trouble)、母親のメアリーがやって来る。メアリーは、ポール・マッカートニーが幼い頃に亡くした母メアリーを指していると言われています。
speakingは「~しながら」
ing形は動名詞と捉えて「~すること」という和訳も可能ですが、ここでは前後のつながりを考えると無理があります。
Mother Mary comes to me / speaking words of wisdomは、スラッシュのところで歌詞が切れるのでなく、実際は1文と考えてよいです。
「母メアリーがやってきた / 含蓄のある言葉を口にしながら」と、「~しながら」と意味をとりましょう。これは分詞構文と呼ばれる英文法です。
rightは「ちょうど」
right in front of meのrightは「ちょうど」という意味です。
これは副詞の用法です。rightは他に「正しい」(形容詞)、「権利」(名詞)という意味もあります。
the brokenhearted people living in the worldは長い主語
the brokenhearted people [living in the world]は、[ ]の部分が後ろから前のpeopleを修飾しています。
the brokenhearted peopleで「心が傷つけられた人々」、[ ]の部分を含めると、「世界に住む心が傷つけられた人々」となります。
agreeは後ろに目的語を持っていないので、自動詞として訳します。
すべてまとめると「世界中に住む心が傷つけられた人々が仲良くやっていく」となります。
for thoughのfor = because
ここは解釈が分かれるかもしれません。
forは接続詞でbecause(というのも~)と同じ意味になります。続くthoughは「~だが」と逆接を示すこれも接続詞。通常、接続詞が2つ続くことはありません。
ここはしっくりとメロディーに歌詞が当てはまるように、forという1単語を入れているのではないかと思います。
これについてはまた別の機会に検証したいと思います。
shine onは命令文
shine onは「輝き続ける」という動詞。文頭の動詞と考えれば命令文になります。
shine on until tomorrowで「明日まで輝いてくれ」と懇願するようなフレーズと解釈してみてはどうでしょうか。
まとめ: Let It Be (The Beatles)
珠玉の名曲、ビートルズのLet It Beの歌詞和訳のポイントはいかがでしたか?
英語の教科書に載るぐらいスタンダードな楽曲なので、解釈が難しいところはそんなに見受けられません。
ビートルズの歌詞を正確に解釈する手助けになればと願っています。
おまけ: 語彙リスト
語彙 | 意味 |
---|---|
find oneself | ふと気づくと~ |
in times of trouble | 困難のときに |
words of wisdom | 含蓄のある言葉 |
hour of darkness | 暗闇の時間 |
right | ちょうど |
let it be | あるがままに |
whisper | 囁く |
brokenhearted | 心を傷つけられた |
though | ~だが |
part | 別れる |
wake up to | ~に目覚めて気づく |
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