Shawn MendesのYouth 歌詞に込められた「若さ」の定義とは?

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Youth (Shawn Mendes ft. Khalid)

イギリスのマンチェスター・アリーナでのアリアナ・グランデのコンサートで起きたテロ事件では22名の尊い命が奪われました。テロ犠牲者の中には8歳の少女も含まれていました。事件当日ヨーロッパ・ツアーを慣行中だったショーン・メンデスがこの悲劇をきっかけに何かをしなければと発起し、R&BシンガーのKhalidと共作し書いたのがYouthです。”Youth”は「若さ」と一般的に訳されますが、それ以上の意味が込められているように思えます。

この記事ではYouthの歌詞や意味の解説と、歌詞に使われている英語表現やフレーズの解説をします。歌詞カードに付いてくる対訳はあくまでも一つの解釈です。英語の歌詞を英語で読み取って、あなただけの日本語訳や和訳をしてみてくださいね!

本サイトでは、批評・研究の目的での引用に留め、歌詞の全体像やその対訳・翻訳・和訳は、著作権や翻訳権の関係で載せていません。英語の歌詞についてはgenius.com>Youthをどうぞ。

歌詞全般について

大きな困難に圧倒され打ちのめされながらも、心までは奪われないと、自分を奮い立たせていく一人称の語り口となっています。特にサビの歌詞は力強く、繰り返し歌われることで、この曲を周囲に力を与えていくようなエンパワーメントアンセムに仕立てています。

英語の歌詞と和訳のヒント

here I am

I am hereの倒置形。

stuck on this couch

(being) stuck on this couch
stuckはstickの過去分詞形。stickは「突き刺す」が原義。突き刺さったまま動かないというイメージから、「行き詰った、動きがとれない」のような意味で使われます。文法的には、ここでは受け身の分詞構文が使われています。
「この長椅子から身動きがとれないまま」

scrolling through my notes

scrollingのing形も分詞構文で、「…しながら」と訳すのが適切です。
「僕のメモをスクロールしながら」
スクロールと言っているので、スマホに残してあるメモと推測できます。

heart was broken, still not growing

「心は壊れ、依然として育っていない」
テロに対する様々な感情により、心がまだ回復していないということでしょうか。

waking up to the headlines

このing形も分詞構文(…しながら/…して)。headlinesは「新聞などの見出し」
「新聞の見出しに目を覚まして」

filled with devastation again

(being) filled with devastation again
ここも受け身の分詞構文。devastationは「荒廃」と訳されますが、ここでは「苦しみ」とわかりやすく訳すとよいかと思います。
「また苦しみでいっぱいになる」

my heart was broken, but I keep going

「僕の心は壊れたが、それでも前に進み続ける」
keep doingで「…し続ける」

pain, but I won’t let it turn into hate

「痛み、でも僕はそれを憎しみに変えたりはしない」
letは「(自由に)…させる」の意味をもつ使役動詞の一つ。turn A in to Bで「AをBに変える」

I won’t let it chage me

won’tは強い意志を表し、「決して…しない」の意。
「それが僕を変えることを決してさせない」 テロに立ち向かう強い意志が感じられます。

never losing sight of the one I keep inside

losingとing形で始まっているのは分詞構文であるから。
lose sight of Aで「Aを見失う」、the one I keep insideは「僕が内に秘めたもの」と訳せばいいでしょうか。
「そして、僕は内に秘めたものを見失うことはない」

now, I know it

「今、僕にはわかったんだ」

you can’t take my youth away

take A awayで「Aを奪う」
「僕からyouthを奪うことはできない」

this soul of mine will never break

「この僕の魂は決して屈することはない」

as long as I wake up today

as long asで「…の限り」
「僕が今日目覚めている限りは」

it’s hard to sleep at night, knowing what’s outside

「夜眠ることも難しい、外で何が起きているかを知りながら」
このknowingにも分詞構文が使われています。

feeling hopeless, I need focus

feelingも分詞構文。hopelessは「無力の」の意味。
focusは「集中」と意味をとるのがふつうかもしれませんが、文脈的に「活動の中心」という意味でとらえるのもよいと思います。
そうすると「無力を感じつつも、僕には協力が必要だ」と意訳できます。

you hit me with words I never heard come out of your mouth

words I never heard come out of your mouth 「君の口から聞かれるとは思いもしない言葉」となりそうです。
簡単に訳すなら「僕は思いもよらない言葉で打ちのめされた」

to be honest, I don’t want it, no

to be honest「正直言うと」
itは前行の「言葉」のこと。
「そんな言葉は聞きたくないんだ」

ショーン・メンデスが考える”Youth”の定義

彼のインタビューの中で”youth”をどうとらえているかがわかる言葉がありましたので紹介します。

“I love this idea of ‘youth’ – not our age, not us being young, but that thing that’s inside of us that makes us think the world is amazing,”

“youth”は「年齢のことではない」「若いことではない」と言い切っていますね。そして、「世界はすばらしいと思わせる僕たちが内に秘めたもの」とも言っています。

“You know, that childish lens that makes you wake up and think you can do anything.”

「僕たちを目覚めさせ、何でもできると思わせる」子どものような物事の見方を”youth”と考えているようです。

若さは年齢ではありません。世の中を見まわせば、若い中年・老年の人もいますし、年老いた心をもった若者もいます。心だけはいつまでたっても「若く」保ちたいものです。